コーヒーを普段からよく飲む人なら「もっと自分好みのコーヒーが飲みたい!」と思ったことがあるのではないでしょうか。
この記事では、奥が深いコーヒーの魅力を原材料のコーヒー豆から解説していきます。
焙煎方法や挽き方、淹れ方の種類までご紹介するので、全て読み終わる頃には自分でコーヒーを淹れてみたくなるかもしれませんよ。
それでは早速ご紹介していきましょう!
コーヒー豆って何?

「コーヒーって何からできているんだろう?」
黒いコーヒー豆を使っていることは分かっていても、その原材料が何なのか知っている人は少ないのではないでしょうか。
実はコーヒー豆って、豆の一種ではないってご存知でしたか?
コーヒー豆は「コーヒーノキ」というアカネ科の植物の「種子」なんです。
コーヒーノキ

コーヒーノキには、さくらんぼのような「コーヒーチェリー」と呼ばれる果実が実ります。
コーヒーベルトと呼ばれる地域で栽培されていて、農園では収穫しやすいよう2mくらいに揃えられていますが、野生のものだと10mまで成長する大きな植物なんです。
コーヒーチェリーの固い皮と果肉を取り除くと、中には薄い膜に包まれた2つの平豆(フラットビーン)が入っています。
この種子こそがコーヒーの原材料の「生豆(なままめ)」で、これを精製して焙煎したものが「コーヒー豆」になるのです。
生豆は基本的には平豆で2個で1組なのですが、稀に片方だけが成長した丸豆1個の場合もあります。
それをピーベリーと言い、この豆だけを使ったコーヒーもあるのだそう。
コーヒー豆の種類

コーヒー豆の品種は数十種類あるのですが、現在飲用として販売されているのは「アラビカ種」と「カネフォラ種(ロブスタ)」の2種類だけです。
アラビカ種
世界中で最も多く栽培されているのがこのアラビカ種です。
なんとコーヒー生産量の58~63%を占めているのだとか。
そのままストレートのブラックコーヒーで飲むのに適しています。
カネフォラ種(ロブスタ)
カネフォラ種は、コーヒー生産量の37~42%を占めています。
コクが深くパンチのある味わいなので、ストレートよりもブレンドやアイスコーヒー用として使われることが多いです。
カネフォラ種の品種はロブスタ一種のみ。
そのため、一般的にカネフォラ種はロブスタとよばれているのだそう。
焙煎(ロースト)

焙煎はローストのことで、コーヒーの生豆を煎る作業を意味します。
収穫した後の精製された生豆は淡い緑色で、この状態ではほとんど味が感じられません。
加熱することでコーヒー豆は茶褐色から黒褐色へと変わっていき、コーヒー独自の香りや苦みが生まれるのです。
焙煎する時間や熱のかけ方によって、出来上がるコーヒーの風味は大きく変わります。
同じ豆でも焙煎度合いを変えることで、複数の味を引き出すことが可能なんです。
では、具体的にはどのような変化があるのでしょうか。
一般的には、煎りが浅いものは酸味が強く、深く煎るほど苦み成分を強く感じます。
それは、焙煎すると生豆に含まれている成分が化学変化を起こすため。
この変化によってコーヒーの色や香り、味わいに大きな影響をもたらすのですね。
浅煎り~深煎りまで、焙煎の度合いは8段階で表されています。
浅煎り
①ライトロースト
うっすらと焦げ目がついている状態で、1番煎りが浅い焙煎。
色は黄色っぽい小麦色で香りやコクは不十分。
②シナモンロースト
色はシナモンのような茶色。
ごく浅い煎り方で、苦みは少なく酸味が強い。
中煎り
③ミディアムロースト
色は茶褐色。
アメリカンコーヒーのような軽さでフルーティな酸味が香る。
④ハイロースト
ミディアムよりも深い煎り方。
酸味と苦味のバランスが良く、市販のコーヒーで良く使われている。
やや深煎り
⑤シティロースト
鮮やかなブラウン。
酸味より苦味が際立つ。こうばしい香りが際立つ
⑥フルシティロースト
色はダークブラウンで「炭焼珈琲」に用いられることが多い。
コクと苦みを強く感じるタイプ。
深煎り
⑦フレンチロースト
深い黒褐色で、苦味とロースト感が強い。
ミルクとの相性が良いのでカフェオレに向いている。
⑧イタリアンロースト
もっとも焙煎度が深く、色はほぼ黒に近い状態。
苦味と香ばしさを感じる力強い味わい。
挽き方(粉砕・グラインド)

焙煎の他にもコーヒーの味を左右する大切な工程があります。
それは焙煎されたコーヒー豆を細かく挽く作業で、粉砕やグラインドと言います。
挽いたコーヒー豆の粒の大きさによってコーヒーの表面積が変わり、粒の大きさ(粒度)が小さいほどお湯との接触面積が増えるため抽出効率が高くなり濃い味わいになります。
逆に粒度が大きくなると、軽くてあっさりとした味わいに変化するのです。
挽き方によって好みの味に調整できるのですが、使う抽出器具に合わせることも重要なポイントです。
細か挽き・・・エスプレッソ式
やや細か挽き・・・ペーパードリップ式、サイフォン式
中挽き・・・ネルドリップ式、ペーパードリップ式
粗挽き・・・ボイル式、パーコレーター式
コーヒー豆を挽く方法と3つのポイント
コーヒー豆の挽き方には、すりつぶす方式とカッティング方式があります。
家庭用や小型ミルのように、歯を噛み合わせて豆をすりつぶすと粉の大きさが揃いにくい特徴があります。
そのため、ドリップすると味のバラつきが出やすいのです。
コーヒーにとって大切な味と香りを充分に引き出すためには挽き方はとっても重要。
美味しいコーヒーを淹れるためのポイントを把握しておくと良いでしょう。
①使う直前に、必要な分だけ粉砕する
コーヒー豆は、粉状になると湿気を吸いやすくなり、空気に触れて酸化してしまいます。
また、粉砕した瞬間が最も香りを放つので、風味が損なわれることを防ぐためにも直前に使う分だけ粉砕すると良いでしょう。
②粒の大きさは均等に
粉の大きさがバラバラだと抽出にムラがでます。
家庭用の手動ミルだとある程度のバラつきが出るので、ハンドルを回すスピードや片方に偏らないように振るなどして調整をしてください。
③抽出器具に合わせる
粉とお湯の接触方法は器具によって変わります。
なので、淹れる器具を考慮して挽くと良いでしょう。
使う器具と挽き方が合っていないと豆の成分がしっかり抽出されない薄味のコーヒーになったり、逆に抽出されすぎて本来の味よりも苦味が強い仕上がりになったりするのです。
せっかく飲むなら、豆の良さが最大限に活かされたコーヒーを飲みたいですよね。
挽き方の種類
コーヒー豆の挽き方は、大きく5つのパターンに分けられます。
①極細挽き
最も細かいパウダー状で、上白糖のようなサイズ感。
短時間で抽出できるエスプレッソマシンやターキッシュコーヒーにぴったり!
時間をかけて抽出するドリップコーヒーだと、苦味が強く出てしまうため不向きです。
②細挽き
上白糖とグラニュー糖の中間ほどの粒感。
細かいので濃い味わいになります。
時間をかけて抽出するウォータードリッパーに向いています。
ウォータードリッパーとは、お湯ではなく水を使って抽出する方法。
温度が低いので成分が抜け出しにくいため、細かい粉を使うのです。
ゆっくりと時間をかけて抽出することでじっくり成分が引き出される仕組みです。
③中細挽き
グラニュー糖ほどのサイズ感。
ペーパードリップやコーヒーメーカーなどの家庭でよく使われている器具に適している粒度。
市販のレギュラーコーヒーはこの挽き目に設定されていることが多いのだそう。
お湯がコーヒーの粉を浸透していく時間が最もベーシックで、基準となる粒感。
④中挽き
グラニュー糖とザラメの中間のような粒感。
お湯が接する時間が長い場合、粉が細かいと雑味が出やすくなります。
そのため、少し粗いほうが美味しいコーヒーになるのですね。
サイフォンやネルドリップ、フレンチプレスなど、じっくりとコーヒーを抽出する方法に適した挽き方です。
⑤粗挽き
ザラメ糖ほどの大きさ。
コーヒー豆の挽き方で1番大きめのサイズ感です。
粉とお湯の接触時間が長く、金属フィルターなどの目が粗いフィルターを使って抽出する「パーコレーター」にピッタリの挽き方です。
いつも美味しいコーヒーを飲むためには、使ったミルの手入れをすることが大切です。
刃にコーヒーの粉が残ったまま放置しておくと、次にミルを使ったときに古く酸化した粉が混ざってしまう恐れがあります。
コーヒーの風味が損なわれてしまうので、常に清潔に保つことも美味しさの秘訣なんです。
コーヒーの淹れ方

コーヒー豆の挽き方でも登場した、コーヒーの淹れ方についてご紹介していきます。
ペーパードリップ
ペーパードリップは、ペーパーフィルターを使って抽出する方法です。
自宅でも取り入れやすく知名度も高いので聞いたことある人も多いでしょう。
ペーパーフィルターの他に、ドリッパー、サーバー、ドリップポットなどの器具が必要です。
注いだお湯がじわじわとコーヒーの粉に浸透し成分を抽出していく淹れ方で、お湯の温度や注ぎ方、蒸らし時間が決め手です。
技量はもちろんですが、器具の種類によってもコーヒーの風味が変わります。
ネルドリップ
ネルドリップは、“フランネル”という織物で作られた「ネルフィルター」を使って抽出する淹れ方です。
ドリッパーの壁があるペーパードリップに比べて、ネルフィルターはその時々でたわみ方が変わり、出来上がる味も変化するのが特徴。
ネルフィルターは使用前後のお手入れもかかせません。
使う前は湯に通し、使った後は煮沸して水に浸しておくとコーヒーの味を損なわずに上手に淹れることができるでしょう。
サイフォン式
サイフォンは見た目のインパクトが強く、コーヒーが出来るまでを視覚的にも楽しむことができる抽出方法です。
専用の器具の準備が多いため、家庭よりも喫茶店やコーヒーショップなどのお店で用いられることが多いでしょう。
美味しいコーヒーを淹れるコツは、火加減と撹拌です。
コーヒーメーカー
家庭でもよく使われているコーヒーメーカー。
コーヒーと水をセットするだけで手軽にコーヒーを淹れることができます。
コーヒーメーカーの種類によっては、豆を挽くところから全て自動でコーヒーを淹れるものもあります。
豆の挽き加減や味わいを選べる機能が備わっているものもあり、誰でも簡単に本格的なコーヒーが楽しめます。
水出し
コーヒーは、基本的にお湯で抽出することが多いのですが、熱を加えずにじっくりと時間をかけて抽出しているのが水出しコーヒーの特徴です。
口当たりがなめらかで、香りが深く飲みやすい。
暑い時期に重宝される淹れ方です。
フレンチプレス式
フレンチプレスは、紅茶を抽出する時に使われてるイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、もともとはコーヒーの抽出器具としてフランスで開発されたんです。
コーヒープレスやカフェプレスと呼ばれることもあるのだそう。
難しいテクニックは不要で、手順通りに行えば誰でも味わい深いコーヒーを淹れることが可能です。
エスプレッソマシーン
エスプレッソはイタリアで人気のコーヒーで、エスプレッソマシーンで圧力をかけてすばやく抽出して作られています。
エスプレッソマシーンは業務用のイメージがありますが、家庭でも簡単に淹れられるものもあるのだそう。
パーコレーター
パーコレーターはアウトドアでも活躍する抽出器具です。
コーヒー液がパイプを通って循環することで、だんだん濃くなっていくのだそう。
コーヒーとお湯の接触時間が長く高温で抽出するため、力強い味わいになります。
コーヒーの飲み方

コーヒー豆にはさまざまな味の違いがあり、焙煎や挽き方によっても変化します。
異なる個性を持つ数種類の豆をバランス良く配合することで、新しい味わいを生みだすのがブレンドコーヒーです。
また、コーヒーはミルクとの相性も抜群で、ストレートで飲むだけではなく混ぜても楽しめるのが魅力なのではないでしょうか。
コーヒーの香りや味わいを楽しみたい人はストレートで。
まろやかにしたいのであれば牛乳と混ぜてカフェオレやカフェラテに。
チョコソースやキャラメルシロップとも相性が良いので、その時の気分によってさまざまな飲み方が選べるのが嬉しいですよね。
まとめ
いかがでしたか?
この記事ではコーヒー豆の種類、焙煎、挽き方、飲み方までをご紹介しました。
この記事を読んで、コーヒーに興味を持っていただけたら嬉しいです。
ぜひ、さまざまな種類を試して自分好みのコーヒーを見つけてみてくださいね。
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