ビール愛好家必見！日本ビール検定（ビア検）の魅力について徹底解説！

幸せなひと時を楽しめるビール。特に、ビール愛好家の方はこの熱意を何か資格に活かせないのか、もっとビールに関する知識を探究できないのかと感じている人も多いのではないでしょうか。実は、日本にはビールに関する資格が豊富にありますが、どのような目的でどんな知識を身に付けたいかによって選ぶ資格は変わってきます。

そこで今回は、初心者でも挑戦しやすくビールに関する知識を深く学べる日本ビール検定について徹底解説します。その他にもビールに関する資格やお酒の資格についても紹介するので、お酒の知識を深めたいと思っている方は、ぜひ最後までチェックしてください。

日本ビール検定とは

日本ビール検定(通称：ビア検)は、ビールのさまざまな知識を学ぶ機会を提供することや日本のビール文化の発展に貢献することを目的に、2012年から一般社団法人日本ビール文化研究会が実施している検定です。

ビール通の中で名高い検定で、日本だけでなく世界のビールについても出題されます。ビールの基礎的な知識や美味しく飲む方法はもちろん、ビールに関するCMや話題の新商品も試験範囲となっています。お酒の試験なので、受験資格は20歳以上の方なら誰でも可能です。ただし、1級を受験する場合は2級の合格者に限ります。

現在全国に123名いる1級取得者は、新年会などを開催しているそうです。全国から多くの方が集まり「ビア検」の知識がツマミとなり毎年大盛り上がりなんだとか。ビア検を受けたことによって、ビール好きの繋がりがどんどん広がっていくのは嬉しいですよね。

日本ビール検定の基本情報

日本ビール検定が気になっていても、基本情報について知らないと何から始めれば良いのか分からないですよね。以下では、日本ビール検定の開催日や受験料、当日までの流れや試験方法、ビア検ならではの嬉しい特典などについて詳しく解説します。

開催日

日本ビール検定は年に一度、秋頃に開催されます。今年度(2024年)は9月1日〜10月31日まで2ヶ月間におよび実施されていました。2級と3級の受験であれば上記期間にいつでも受験でき、併願で受けることも可能です。1級に限り、10月20日のみで全国一斉開催となっていました。

申込期間は2級と3級が7月1日〜10月28日、1級は7月1日〜9月30日まででした。例年通りであれば、2025年の実施日は5月までに発表される見込みです。

受験までの流れ

日本ビール検定はCBT方式で実施されています。CBT方式とは、申し込みから試験実施、結果発表までを全てコンピューター上で行えるシステムです。そのため、CBT方式での受験が初めての人は、まず新規登録を行う必要があります。

新規登録でIDやパスワードを取得した後、マイページにログインします。ログイン後に希望の受験会場や受験級、支払い方法などを入力して申し込み完了です。予約した日の3日前を過ぎた場合はキャンセルができないので注意しましょう。

当日の流れ

受験当日は、本人確認書類を持参したうえで5分前に会場に到着している必要があります。受験料に関しては3級が4,500円で2級が5,500円、併願する場合は9,000円です。1級は7,500円となっています。

2級と3級は即時判定なので、受験後すぐにその場で試験結果を確認できます。1級は後日マイページより合否を確認可能です。合格者にはカード型の合格認定証が翌月末に進呈されます。

満点賞でビール1年分

日本ビール検定には「満点賞」という特典があります。満点賞とは受験した級に関わらず「100点満点」を見事に達成した方に、日本ビール文化研究会が選定したビールが1年分進呈されるという賞です。満点賞を獲得した方の名前とコメントが公式サイトで発表されますが、複数名いる場合はビールが1年分山分けになるそうです。

2024年秋開催の日本ビール検定では、12名の方が満点賞を獲得されました。中には4年連続で満点を獲得している方や、毎年リピート受験をしている方もいるんだとか。

各級の問題形式

日本ビール検定には1〜3級までのレベルがあり、それぞれの階級によって出題範囲や合格ラインが異なります。以下では、難易度や出題範囲を級ごとに詳しく解説します。日本ビール検定のどの級を受験しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

3級

3級はビール初心者向けなので、公式テキストからの出題が中心です。公式テキストを漏れなく学習すれば合格可能で、ビールの基本的な知識について出題されます。検定の勉強を通して、今よりもっとビールの美味しさや楽しさを感じられるでしょう。

3級の試験は全て選択式で問題数は100問です。100点満点中60点以上が合格ラインとなっており、合格率は89%だそうです。

2級

2級は3級より深い知識を学びます。ビールの文化や歴史を語れるくらいのレベルで、仕事でビールなどの酒類に携わっている方やビール通になりたい方におすすめです。公式テキストを深く理解し学習すれば合格可能で、ビールのCMや新商品からも出題されます。

2級の出題形式は3級同様全て選択式で、問題数は100問です。100点満点中70点以上が合格ラインで、合格率は47%なので3級よりもグッとレベルが上がります。

1級

1級は公式テキストの内容がベースとなっていますが、ビールに関する時事情報など幅広い範囲から出題されます。最も難易度が高くなっているため数年かけてチャレンジしている方も多くいます。

1級の問題数は61問ですが、出題形式は選択式と記述式になっているため、より正確な知識が必要です。100点満点中80点以上で合格できますが合格率は8%で、過去14回実施されているビア検での1級取得者は123名となっています。

日本ビール検定の勉強方法

日本ビール検定の問題は、主に公式テキスト「知って広がるビールの世界〜日本ビール検定公式テキスト2024年4月改訂版（著：一般社団法人日本ビール文化研究会、出版：翔泳社）」から出題されます。

どのレベルもこの公式テキストをベースに出題されるので、しっかりと学んでおきましょう。ビールに関する基礎知識はもちろん、知って楽しい雑学まで幅広く盛り込まれています。全ページフルカラーとなっていて、画像やイラストも多く読み進めやすいのも特徴です。

各級ごとに問題集も販売されているので、過去問を反復練習するのもおすすめです。どちらも2年ごとに内容がアップデートされていくので、最新版の公式テキストを購入しましょう。

ビールの資格

日本ビール検定以外にも、ビールに関する資格は豊富にあります。趣味で楽しめる資格から仕事に活かせる資格までとさまざまです。以下ではビールに関する資格4種類とその詳細について解説します。

ビアテイスター

ビアテイスターはその名の通り、テイスティング (官能評価)によってビールの出来の良し悪しを客観的に鑑定し、その理由を理論的に説明できる人に与えられる資格です。試飲によって専門的な知識が身に付くので、説得力があるビールの美味しい飲み方を説明できるようになります。

20歳以上でビアテイスターセミナーを受講した人、協会の会員であることが受験の必須条件です。年に数回、全国の主要都市にて開催され、検定は1日かけて行われます。試験は午前と午後の認定セミナー後に実施されます。

出題範囲は55問の筆記テストと約40種類のビールを試飲するテイスティング試験です。全体の7.5割以上正解で合格なので、基礎が入っていれば比較的合格しやすいと言えるでしょう。

ビアジャッジ

ビアジャッジはビアテイスターの上位資格にあたります。ビールの審査会などにおいて、ビールの審査をする知識と官能評価能力があると認められた方に与えられる資格です。つまり、ビアジャッジの資格を持っていればさまざまなビールの品評会に参加できるのです。

合格して認定証を発行するためにはビアテイスターの資格を持っている必要があり、試験は2日連続の講義を受けた後に行われます。講義ではビールの評価ポイントを学び、繰り返し模擬審査を行って国際基準に基づくビールの評価尺度を身に付けていきます。

全100問の筆記試験と4問の官能評価試験で、共に60点以上であれば合格です。合格点数によって認定ランクが異なり、75点以上でシニア・ビアジャッジ、90点以上でマスター・ビアジャッジとして認定されます。

ビアコーディネイター

ビアコーディネイターとは、ビールと料理の適切な組み合わせ方を指導・アドバイスできる人に与えられる資格です。ビールと料理のマリアージュを極めたい方や、ビールを仕事にしている方のキャリアアップにも活かせます。

ビアコーディネイターの試験は講義と試飲試食をした後に実施され、当日中に結果が分かります。講義ではビールと料理のマリアージュという観点から、ビールと料理を理論的に合わせて「第3のフレーバー」を作り出すことを学ぶことが可能です。

検定は全20問の筆記試験で、75点以上でビアコーディネイターとして認定されます。ビアスタイルフレーバーについての知識を深めることができるので、どんな料理にも応用できるでしょう。

ビアソムリエ

ビアソムリエ（ジャパンビアソムリエ）は、ビールを楽しむための専門知識を持ち、ビールの魅力や楽しさを伝えられる人に与えられる資格です。ビールを今以上に楽しみたい方だけでなく、仕事においてビールに接する機会が多いフードコーディネーターや飲食店スタッフにおすすめです。

認定講座はドイツ大使館とオーストラリア大使館の後援を得ており、世界のビール講座のカリキュラムを参考にした日本独自のカリキュラムとなっています。年2〜3回実施され、全3回の講座はオンラインでの受講が可能です。実際の試験は開催される会場で行います（オフライン）。

全約60問の筆記試験とビアテイスティング、メールで提出するレポート課題が試験内容です。テイスティング試験は5問中3問正解で合格で、初心者でもテキストをベースにしっかり理解できていれば合格できます。

お酒の資格

ビール以外にも、日本酒やワインなど、お酒に関する資格は数多くあります。以下では、ビール以外にもお酒をこよなく愛する方たちに向けて、日本で受けられるお酒に関する検定を紹介します。

日本酒検定

日本酒検定は、正しい日本酒の知識や魅力を社会へ広く普及し、日本酒を楽しんでもらうことを目的に2010年より実施されている検定です。日本酒に関する知識を身に付けられるだけでなく、飲食業界で働いている方は資格としてアピールできます。

日本酒好きの20歳以上なら誰でも受けられ、毎年3月と9月の第2土曜日に実施されています。歴史や文化だけでなく日本酒の楽しみ方や海外事情からも出題されますが、テイスティングの試験はありません。

5級、4級、3級、2級、準1級、1級に分かれていて、2級を受験する場合は3級に合格している必要があります。2級以降は段階的に受験資格を得られる仕組みになっているので、はじめから準1級を受けるなどはできません。

ウイスキー検定

ウイスキー検定は、普段からウイスキーを味わっている方にもっとウイスキーを楽しむ知識を付けてもらいたいという目的で2014年から実施されています。ウイスキーは世界地理や歴史とも深い関係があるので、歴史好きの人はもっと楽しめるのではないでしょうか。

受験資格はウイスキーが好きな20歳以上の方。検定は毎年2月と9月に実施されており、世界のウイスキーを対象に、歴史や製造方法、飲み方や時事問題からも出題されます。ウイスキーの奥深い世界をより楽しめること間違いなしです。

レベルは3級、2級、1級に分かれていて、BW（バーボンウイスキー）級など分野に特化した特別級が4種類あり、併願受験で受験料が10%オフになります。さらに、受験者全員にオリジナルグッズがプレゼントされる嬉しい特典もあります。

ワイン検定

ワイン検定は2つの団体が行っていますが、ここではワイン初心者の方でも挑戦しやすい「J.S.A.ワイン検定」について紹介します。一般社団法日本ソムリエ協会が主催しているワインの基礎的な知識の普及を目的とした検定で、20歳以上なら誰でも受験可能です。

半日かけて講習と試験が行われ、入門編のブロンズクラスとブロンズ認定者を対象にしたシルバークラスがあります。いずれもテイスティングの試験はありません。比較的合格しやすい検定なので、ワインを楽しみたい方や好みのワインを選ぶための知識を習得したい方におすすめです。

ブロンズクラスは全50問、シルバークラスは全70問の筆記試験です。2025年の実施日は、ブロンズクラスが4月と9月、シルバークラスは11月にそれぞれ3日間開催される予定です。

まとめ

今回は、日本ビール検定について徹底解説しました。ビア検は日本だけでなく、世界のビールや美味しい飲み方、うんちくなどさまざまな知識を学べます。また、話題のCMや新商品からも出題されるので、試験勉強中でも楽しめますし、ビール好きにとってはたまらない資格なのではないでしょうか。

開催期間も長く、CBT方式で気軽に受験できるので、まずはチャレンジしてみるのがおすすめです。せっかく受験するのなら「満点賞」を目指してみても良いかもしれません。ぜひ、この記事を参考にして、よりビールの楽しさや美味しさを追求してくださいね。