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カクテルの王道!人気のお酒“ジン”を使ったおすすめカクテル11選

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「カクテル」といったらどんなお酒を思い浮かべますか?
今やBARだけじゃなくレストランやカフェでもカクテルが飲めますよね。
お酒にはたくさんの種類がありますが、そのなかでもジンを取り扱っているお店はかなりたくさん。
ジンはカクテルの王道とも呼ばれるほど、幅広い世代に人気のアルコールなんです。

この記事では、そんなジンについて紹介していきます。
ジンをベースにしたカクテルのレシピはもちろんのこと、原材料や製造過程、歴史や種類についても詳しく深堀っていきます。
最後まで読めば、きっとジンを身近なお酒に感じられることでしょう。
それでは早速チェックしていきましょう!

そもそもジンとはどんなお酒?

普段カクテルを飲まない人は、ジンがどんなお酒か分からないですよね。
ジンは、ウォッカ・テキーラ・ラムと並んで「世界4大スピリッツ」と呼ばれるほど人気のある知名度の高いお酒です。
スピリッツとは醸造して造られたお酒からさらにアルコールを蒸留することで造られた蒸留酒のこと。
醸造酒よりもアルコールが凝縮されているのでお酒の味を強く感じられるでしょう。

ジンは、使う原材料によって風味が変わるのが特徴で、銘柄や種類によってさまざまな表情を見せてくれます。
蒸留酒の中でも比較的クセがないため、そのまま飲むだけじゃなくカクテルの材料としても使われやすいお酒なんです。

原材料

ジンは、大麦・ライ麦・とうもろこしなどの穀物やじゃがいもを使って造られています。
一般的には“ジュニパーベリー”と呼ばれる杜松果(とうしょうか)で香り付けされているものが多いのですが、香草や薬草などを使ったボタニカルの香りがするものもあり、種類によってさまざまな味わいが楽しめるんです。

ジンのカロリーは100gで280kcalと言われていますが、お酒を蒸留しているため糖質はほぼ0なんだとか。
太りにくいお酒とよばれることもあるそうですが、砂糖の多いジュースで割るとその分糖質も増えてしまうので気をつけてくださいね。

ジンの歴史

ジンは、なんと350年以上も前に造られたお酒と言われています。
先ほども少し触れましたが、もともとは飲料用ではなく薬用酒、つまり薬として開発されたのだそう。

一説によると、1660年にオランダの医学教授が開発した利尿剤が起源なのではないかと言われています。
香り付けに使われているジュニパーベリーは治療薬としても活躍していた植物。
利尿効果のある薬草をアルコールに浸し、それを蒸留して造られた「ジュニエーブル」という名の利尿剤は解熱剤・健胃剤として人気を集め、多くの人から求められたそうです。
その時に「ジュニエーブル」という名が簡略化されて「ジン」とよばれるようになったのだとか。

16世紀頃、オランダでは嗜好品として蒸留酒が流行りました。
これがジンの原型と言われており、18世紀にイギリスでブームを起こした後はアメリカへと渡りました。
その後、カクテルベースとしても注目されたジンは世界中に広まり人気を集めて世界を代表するスピリッツへと成長していったのです。

当時は粗末な蒸留器を使っていたため雑味が多かったのですが、19世紀にもなると連続式蒸留器が誕生して、雑味の少ないジンが造られるようになりました。
現在のジンのベースはこの時イギリスで生まれた「ドライ・ジン」だといわれています。

その一方で、オランダで生まれたジンの文化も発展していきました。
ドライ・ジンに対して、オランダのジンは「ジュネバ」や「オランダ・ジン」とよばれるようになり、2つの異なるジンは2大ジンとして人気を集めました。

日本で初めてジンが蒸留されたのは1812年のこと。
フランス革命戦争で本国を失ったオランダ人のため、長崎奉行所の茂伝之進がオランダ人の力を借りてジンやビールを作ったのが始まりとされています。

2008年には、ロンドンで200年ぶりに銅製の蒸留器を稼働したことで大きな話題となりました。
これがきっかけでイギリス内でジンが流行ったのだそう。
小規模な蒸留所では、高品質で個性の光るオリジナルなジンが造られるようになり、それが「クラフト・ジン」とよばれるようになりました。
イギリス内に12箇所しかなかった蒸留所は、10年後の2018年には450以上になるほど増えたのです。

世界的なウイスキーの原酒不足も相まって、クラフトジンはイギリスの枠を超えて世界中でブームとなりました。
日本でもクラフトジン専用の蒸留所ができるほど力を入れるようになり、ジンの輸出額が拡大しました。
2017年には前年と比べて43倍にもなる6億円も輸出し、2018年には19億円も売り上げたのだとか。
ほぼ無名だったジンがわずか2年足らずで、ジャパニーズウイスキーに次ぐ輸出額になったのです。

ジンの製造方法

一般的なドライ・ジンの製造方法をご紹介していきます。
ざっくり説明すると、①蒸留→②香味付け・再蒸留→③ボトリングの順で造られています。
それでは、それぞれの工程を詳しく説明していきましょう。

①蒸留

連続式の蒸留機を使って、ジンの土台となるニュートラルスピリッツとよばれる中性アルコールを造ります。
じゃがいもや穀類のデンプンに水と糖化酵素を加えることで糖化し、さらに酵母菌加えて発酵させます。
そうすることでもろみが造られ、それを連続式蒸留機で加熱・気化させるとアルコール純度95%以上のニュートラルスピリッツが完成するのです。

③香味付け

ニュートラルスピリッツにボタニカルで香味をつける方法は大きく分けて2つ。

●スティーピング方式(浸漬法)
ニュートラルスピリッツにボタニカルを浸して単式の蒸留機で時間をかけて再蒸留する伝統的な方法をスティーピング方式(浸漬法)といいます。
ジンの銘柄によっては、再蒸留する前にボタニカルをスピリッツに24時間近く浸しておくものもあります。

●ヴェイパーインフュージョン方式(バスケット法)
単式の蒸留機内上部にジン・ヘッドとよばれる筒状のカゴのようなものを取り付けます。
そのカゴの中にボタニカルを詰めて、スピリッツの蒸気が通過することでフレーバーが抽出される方法がヴェイパーインフュージョン方式(バスケット法)です。
ボタニカルを気化して香り付けするので、雑味成分が少ないピュアなジンになると言われています。

③ボトリング

再蒸留が終わったボタニカルの香味のするスピリッツのアルコール度数は約60~70度ほど。
これを水で希釈してボトルに詰めていきます。(ジンの銘柄によっては、熟成の工程を挟むものもあるそう。)

ジンのアルコール度数は種類によっても異なりますが、だいたい40~50度のものが多いです。
香りの成分は水よりもアルコールに溶けやすいため、アルコール度数が高いほど香り成分量も多くなるのだそう。
希釈のために用いる水の品質も味わいに影響を与えるため、慎重に選ぶ必要があります。
ボトリングは最後の工程になるので、理想とする香りや味わいのバランスなどの細やかな微調整を要される作業です。
納得のいくものになったらボトルに詰めて完成です。

ジンの種類

続いてジンの種類についてです。
先ほど、ドライ・ジンやオランダ・ジンなどの種類があるとお伝えしました。
ジンは比較的、製造工程の自由度が高いお酒で、ジュニパーベリーを加えること以外はさまざまな方法で造ることが可能なんです。
そのため造る国ごとに特徴や味わいが異なっています。

●ドライ・ジン(イギリス)
世界中で親しまれている最も一般的なジン。
連続式蒸留器で造られているので純度が高く、雑味が少なくクリアな味わいが特徴です。
天然のボタニカルしか使わず香料や着色料なども使用していないので、柑橘系の爽やかな香りを感じやすいでしょう。

●オランダ・ジン(オランダ)
オランダで発祥したジンで「ジュネバ」ともよばれています。
単式の蒸留器で造られているため穀物の風味を感じやすいのが特徴。
味わいは日本の焼酎に近いイメージで、甘口で濃厚なものが多いのだそう。

●オールド・トム・ジン(イギリス)
ドライ・ジンが生まれる前に単式の蒸留器で製造されていた甘口のジン。
現在は連続式の蒸留器を使っていますが、砂糖などから造られるスピリッツを加えて甘味を足しているようです。

●シュタイン・ヘーガー(ドイツ)
ジュニパーベリーを発酵させてから単式蒸留器で蒸留し、グレーンスピリッツを加えてから再蒸留します。香りはやや控えめな印象。
ドイツのシュタインハーゲン村で生まれたため、この名が付きました。

●クラフト・ジン
大手メーカーではなく、小規模な蒸留所が造っているジン。
蒸留所によって原料や製法が違うため、個性的な味わいになるのだそう。
日本でも多くのクラフト・ジンが造られていて、中には桜の花や玉露などの日本らしいボタニカルを使って造られているものもあります。

●プレミアム・ジン
最高品質のイギリス産穀物を使い3回も蒸留されて造られたジンを、プレミアム・ジンとよびます。
1ランク上の味わいを堪能できるので、特別な日に飲んだり贈り物としてプレゼントしたりするのも良さそうですね。

ジンベースのカクテル

ここからは、ジンを使ったおすすめのカクテルレシピ11選をご紹介します。

①ジン・トニック

・ジン 45ml
・トニックウォーター 適量

ジンのカクテルといえば真っ先に思い浮かぶほど有名なカクテル。
ジントニックを飲めばそのお店のレベルが分かるとも言われています。
程よく甘くスッキリ飲めるので最初の一杯にピッタリ!

②ジン・ライム

・ジン 30ml
・ライムジュース 10ml
・カット(スライス)したライム 適量

ジン本来の味を感じられるカクテルです。
ジンに含まれているアルコール度数そのままなので、比較的強いのが特徴。
ライムが爽やかに香って、大人の味わいを楽しめます。

③ジン・フィズ

・ジン 45ml
・レモンジュース 20ml
・シロップ 2tsp
・ソーダ 適量

炭酸が効いていて、爽やかでフレッシュなカクテル。
飲みやすく喉越しスッキリ!

④ジン・バック

・ジン 45ml
・ライムジュース 20ml
・ジンジャエール 適量

ジンジャエールの爽やかな甘さとジンが良くマッチして飲みやすいカクテル。
ジンジャエールの種類(辛口・甘口)によって異なった風味を楽しめます。

⑤オレンジブロッサム

・ジン 45ml
・オレンジジュース 適量

別名:ジン・オレンジともよばれる。
オレンジジュースのフルーティーな甘さがジンと合わさることで、飲みやすいカクテルになっています。
お酒が強くない人にもおすすめです。

⑥ネグローニ

・ジン 20ml
・スイート・ベルモット 20ml
・カンパリ 20ml

スピリッツをリキュールで割っているので、アルコール度数が高いカクテル。
白ワインに香草の風味を付けたベルモットや、特有の苦みがあるカンパリと合わせているのでハーブや薬草などが好きな人におすすめです。

⑦ギブソン

・ジン 45ml
・ドライ・ベルモット 15ml
・カクテルオニオン(玉ねぎの酢漬け)

辛口でアルコール度数が高いカクテル。
最後に玉ねぎの酢漬けを乗せるのが特徴で、オリーブを飾るとマティーニになります。

⑧シンガポール・スリング

・ジン 45ml
・レモンジュース 15ml
・シロップ 1tsp
・ソーダ 適量
・ヒーリングチェリーリキュール 10ml

シンガポールの夕焼けを「東洋の神秘」と称えたことが誕生のきっかけだそう。
チェリーのリキュールで、華やかなピンク色になったカクテルは見た目も可愛らしくて女性にもおすすめです。

⑨ダービー

・ジン 45ml
・グレープフルーツジュース 15ml
・レモンジュース 15ml
・シロップ 1tsp
・ソーダ 適量
・レッド・チェリー 1個

フルーティーで爽やかな口当たりのカクテル。
グレープフルーツジュースやシロップも入っているので甘みもあって飲みやすいです。
赤いさくらんぼがキュート。

⑩トム・コリンズ

・ジン 60ml
・レモンジュース 20ml
・シロップ 2tsp
・ソーダ 適量

ジンのキリッとした味とレモンの爽やかな酸味が混ざってとてもスッキリとした味わいのカクテル。
シンプルながらそれぞれの味をしっかり感じられるので飽きずに飲めるでしょう。

⑪マティーニ

・ジン 45ml
・ドライ・ベルモット 15ml
・オリーブ 1個

古くから親しまれてきた歴史のあるカクテル。
故にさまざまなレシピが存在するため、お店によって多少味が変わるのもマティーニの特徴です。
玄人向けなのでお酒に強い人におすすめです。

まとめ

この記事では、人気の高いジンのカクテルレシピについてご紹介しました。
原材料や製造方法、できるまでの歴史など細かく知ることができたのではないでしょうか。

カクテルの王道とよばれ比較的飲みやすいジンは、お酒初心者から玄人まで幅広い層から親しまれているお酒なんですね。

この記事をきっかけに、自分の好きなジンのカクテルを見つけてみてくださいね。