忘年会や新年会、お祝いの場など、お酒を飲む機会って多いですよね。
ビールはよく飲んでも、カクテルの種類はあまり知らない人って案外多いのではないでしょうか。
カクテルにはさまざまな種類がありますが、その中でも今回は「ウォッカ」について徹底解説していきます。
歴史や原材料だけじゃなく、ウォッカをベースとしたカクテルもたくさん紹介しているので、ぜひ最後までお楽しみください。
読み終わった頃には、ウォッカベースのカクテルが飲みたくなってしまうかもしれませんね。
それでは早速チェックしていきましょう。
ウォッカってどんなお酒?
そもそもウォッカとは、一体どんなお酒なのでしょうか。
ウォッカはスピリッツの一種であるアルコールです。
スピリッツとは蒸留酒全般を指すのですが、その中でもウォッカ、ジン、ラム、テキーラは世界4大スピリッツとよばれ、世界中で多くの人に親しまれています。
ウォッカは、小麦などの穀類、じゃがいもなどの芋類から造られています。
無味無臭に近くクリアな見た目ですが、アルコール度数は40〜60度と高いのが大きな特徴。
これは、氷点下30度でも凍らない程の度数で、中にはスピリタスのように90度を超える種類もあるのだとか。
ロシアが起源とされているため、寒い環境下でも楽しめるよう度数が高くなったとされています。
現在は、ロシア以外にアメリカなどでも生産されています。
ウォッカのカロリーは100グラムで約240キロカロリーありますが、なんと糖質は0グラム!
一見ヘルシーに思えますが、割る物によって糖質は変動するので体型や健康を気にしている人は注意してくださいね。
ウォッカの原料
ウォッカは、小麦・大麦・ライ麦・とうもろこしといった穀類や、じゃがいもなどの芋類を原材料として造られています。
・ロシアやスウェーデンでは小麦
・フィンランドでは大麦
・ポーランドではライ麦
など、何をメインに使うのかは製造する国や地域によって異なります。
また、
・じゃがいも、果実、ミルクなどから抽出した乳糖
・サトウキビなどから砂糖を精製する際に生まれる廃糖蜜(はいとうみつ)
・香草や柑橘類などのフルーツ
などが使われることもあり、造り手によっても変わるのだそう。
ウォッカの製法
ウォッカを作るには、原料を煮て糖化させたところに酵母を加えて発酵させるのが一般的な製法。
そうして完成した”もろみ”を連続式蒸留機で蒸留することで、アルコール度数の高いスピリッツが出来上がるのです。
そこに水を加え、白樺などの活性炭を使ってろ過したものを瓶に詰めているのだそう。
蒸留やろ過をする過程で原料独自の成分が多く取り除かれるため、無味無臭でクセがないのが特徴です。
日本酒と違って、原材料が違ってもほとんど風味の違いは感じないのだから驚きですね。
19世紀後半に連続式蒸留機が導入される前は、単式の蒸留機を使用していたのですが、当時は雑味が多く、現在の味わいとは全く違う仕上がりだったのだそう。
匂いがしないクリアなウォッカを作るためには、連続式蒸留機と、白樺の活性炭を使用したろ過する工程が必要不可欠なんですね。
ウォッカの歴史と語源
ウォッカの語源には諸説あり、20世紀後半までは明確にされていませんでした。
1977年には、ロシアとポーランドの間で名称の使用権を巡って法廷論争が勃発。
その後1987年に国際調停裁判所で決着がつき、ロシアが起源となったのだそう。
諸説ある中でも有名なのが「命の水」をモチーフとしている説です。
「命の水」はラテン語で「アクア・ヴィテ(aqua vitae)」。
中世の人たちがスピリッツを指すときに用いていたそうで、これをロシア語にすると「ズィズネーニャ・ワダ(Zhiznennia Voda)」となります。
やがて「ワダ(Voda)」の名称だけが残って、そこから「ウォッカ(vodka)」と呼ばれるようになったのだとか。
アラビアから伝わった蒸留酒がロシアやポーランドへと伝わり、寒冷地に適したアルコールへと進化した結果、氷点下30度でも凍らないウォッカが誕生したのですね。
ウォッカの種類
ウォッカは大きく3種類に分けることができます。
それぞれの種類の特徴と、日本で手に入る代表的なウォッカを見ていきましょう。
レギュラータイプ
レギュラータイプのウォッカは無味無臭に近いため、原料の違いはほぼありません。
しかし、ろ過の過程で使用する白樺の活性炭の質や、ろ過の回数・時間によって多少の差が生まれ、それぞれの個性になるのです。
代表的なウォッカ
SMIRNOFF(スミノフ)ウォッカ・レッド
クリアなテイストなのでカクテルの味を引き立ててくれます。
蒸留を3回行った後、白樺の活性炭で10回もろ過しているのだそう。
8時間以上かけて、一滴一滴じっくりとろ過したからこそ、雑味や濁りが徹底的に取り除かれた無色透明の美しいウォッカが出来上がるのです。
ミックスする物の味を損なわない点も、スミノフウォッカの優れたポイントなのです。
生産者 | スミノフ |
生産地 | 韓国 |
タイプ | レギュラータイプ |
内容量 | 750ml |
度数 | 40度 |
フレーバードウォッカ
フレーバードウォッカは、基本となるウォッカに風味を付けた物です。
柑橘系のさわやかな香りや、清涼感を感じるハーブの香り、スパイシーな香辛料を利かせたものなど、さまざまな種類が存在します。
代表的なウォッカ
ZUBROWKA BISON GRASS (ズブロッカ バイソングラス)
桜餅に似たやわらかな香りと飲み口
貴重な薬草を漬け込んだウオッカ
ポーランドに存在する世界遺産の「ビアウォヴィエジャの森」。
その森で採れるバイソングラスという貴重な薬草を漬け込んだウォッカです。
まろやかな飲み口と、桜餅やよもぎ餅にも似ているとされる柔らかな香りが特徴。
生産者 | ポルモス・ビアリストック |
生産地 | ポーランド |
タイプ | フレーバードウォッカ |
内容量 | 700ml |
度数 | 37.50度 |
プレミアムウォッカ
プレミアムウォッカは、原料の産地や水の質などに力を入れて製造しているのが特徴です。
ろ過だけでなく蒸留の回数や技術など、細部に渡ってこだわることで、独特な風味や口当たりを作り出すことが出来ます。
代表的なウォッカ
SKYY VODKA(スカイウォッカ)
アメリカで生産されたスタイリッシュなウォッカ。
原材料には厳選された穀物と純粋な濾過水を使用しています。
独自の方法で4回も蒸溜を行った後、ろ過の工程を3回繰り返すことで造られるウォッカは、非常にクリアな味わいになっているのだそう。
カクテルベースとしてはもちろんですが、ストレートで飲んでレギュラータイプとの味の違いを楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。
生産者 | スカイウォッカ |
生産地 | アメリカ |
タイプ | プレミアムウォッカ |
内容量 | 750ml |
度数 | 40度 |
飲み方とカクテル
ここからは、ウォッカをベースにして作られているカクテルをご紹介します。
カクテルの種類を知りたい人や、自分好みのカクテルを見つけたい人は必見ですよ。
ブルドッグ
・ウォッカ 30ml
・グレープフルーツジュース 90ml
ブルドッグは、ウォッカとグレープフルーツジュースを合わせて作るカクテルです。
甘さと酸味のバランスがよくスッキリと飲みやすいので、お酒が弱い人にもおすすめです。
ソルティ・ドッグ
・ウォッカ 30ml
・グレープフルーツジュース 90ml
・食塩
ソルティ・ドッグは、先程のブルドッグと同じ材料ですが大きく違う点があります。
それは、名前にソルティが入っている通り飲み口に食塩がついているところです。
グレープフルーツジュースの爽やかさと、しょっぱさが絶妙で人気のあるカクテルなんですよ。
モスコミュール
・ウォッカ 30ml
・ジンジャーエール 90ml
・カットライム
モスコミュールは、ウォッカとジンジャーエールを混ぜて作るカクテルです。
クセがなくて飲みやすいので食事にも合わせやすいのが魅力的。
甘口のジンジャーエールならジュース感覚で、辛口のジンジャエールならよりお酒らしく、味の違いも楽しめるカクテルです。
ライムの香りがさらに華やかさを演出してくれます。
スクリュードライバー
・ウォッカ 30ml
・オレンジジュース 90ml
スクリュードライバーは、ウォッカとオレンジジュースを合わせて作ったカクテルです。
ウォッカは、他のスピリッツに比べてお酒の匂いや味が抑えめです。
オレンジジュースと混ぜることでより飲みやすくなるので、お酒が苦手な人でもチャレンジしやすいカクテルといえそうですね。
ブラッディメアリー(ブラッディ・マリー)
・ウォッカ 45ml
・トマトジュース 100ml
・レモンジュース 5ml
・塩、胡椒、タバスコ 少々
・ウスターソース 少々
ブラッディメアリーはウォッカとトマトジュースを合わせたカクテルです。
先程までのカクテルとは一味違った材料を使っています。
トマトジュースを塩胡椒タバスコなどお好みで味をつけたら、ドロっとした食感とピリ辛な味わいがクセになること間違いなしの辛口のカクテルを楽しめます。
コスモポリタン
・ウォッカ 30ml
・ホワイトキュラソー 10ml
・クランベリージュース 10ml
・ライムジュース 10ml
コスモポリタンはウォッカとクランベリージュースとオレンジのリキュールとライムジュースを合わせたカクテルです。
材料を氷の入ったシェイカーに入れてシェイクすることで、飲み口が爽やかなバランスのとれたカクテルになります。
カクテルグラスに注がれたピンク色の見た目も美しく、ちょっとお洒落にお酒を楽しみたいときに飲んでほしい一杯です。
ロングアイランド・アイスティー
・ウォッカ 15ml
・ジン 15ml
・テキーラ 15ml
・ラム 15ml
・ホワイト・キュラソー 15ml
・コーラ 40ml
・レモンジュース 30ml
ロングアイランドアイスティーは、世界4大スピリッツを全て使ったカクテルです。
紅茶のような見た目からその名が付けられたのだそう。
コーラやレモンジュースで割っていて飲みやすい味わいですが、お酒を多く使っているのでアルコール度数は25度と高め。
飲みすぎないように注意すべきカクテルです。
ウォッカ・マティーニ
・ウォッカ
・ドライ・ベルモット(ウォッカの量の1/5)
ウォッカ・マティーニはウォッカとドライ・ベルモットを合わせたカクテルです。
ドライ・ベルモットとは白ワインに香草やスパイスを使用したフレーバードワインのこと。
お酒+お酒のカクテルなのでアルコール度数は25度と高め。
ピリッとした辛口のカクテルが飲みたい人におすすめです。
バラライカ
・ウォッカ 1/2
・ホワイト・キュラソー 1/4
・レモンジュース 1/4
バラライカはウォッカとオレンジリキュールとレモンジュースをシェイクして作るカクテルです。
名前はロシアの民族楽器から取ったのだそう。
辛口でパンチが効いていながらも、レモンジュースの爽やかな香りがほのかに残るスッキリとした味わいが特徴のカクテルです。
カミカゼ
・ウォッカ 20ml
・ホワイト・キュラソー20ml
・ライムジュース 20ml
カミカゼはウォッカとオレンジリキュールとライムジュースをシェイクして作るカクテルです。
バラライカと似ていますが、こちらはレモンではなくライムジュースを使っています。
名前は「神風特攻隊」が由縁なのだそう。
一直線に敵に向かって行く姿を、辛口でアルコール度数が高いこのカクテルのキリッとした味わいに重ねているのだとか。
ブル・ショット
・ウォッカ 30ml
・ビーフブイヨン 60ml
ブル・ショットは、なんとウォッカとスープを合わせたとても珍しいカクテルです。
味のバランスが取れればどんな組み合わせもカクテルにできることを証明しました。
どんな味になるかは、スープ次第。
レストランやホテルではスープカップに入れて出したり、塩胡椒タバスコなどと一緒にシェイクするスタイルでも楽しめるのだそう。
ウォッカマニアなら挑戦してみたくなるカクテルですね。
まとめ
この記事では、世界4大スピリッツのひとつであるウォッカの原料や歴史、ウォッカをベースとして作られたさまざまなカクテルをご紹介しました。
アルコール度数が高いので、強そうなイメージを持っている人も多いかもしれませんが、割る物によっては飲みやすいことが分かりましたね。
この記事を読んで気になるカクテルを見つけ、飲んでみたいなと思ってもらえたら嬉しいです。
たくさんのカクテルを知って、自分好みのものを見つけてみてくださいね。
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