ワインといえば、コルクで栓をしてあるボトルを思い浮かべますよね。
他のお酒には使われていないのに、どうしてワインだけコルクの栓を使っているのか、疑問に思った人も多いのではないでしょうか。
ワインとコルク栓はとても密接な関係にあるため、ワインに詳しくなりたいのなら、コルク栓についての知識を身につけておくと良いでしょう。
この記事では、なぜワインにはコルク栓が使われているのか、その理由について徹底解説していきます。
記事の後半では、ソムリエナイフを使ったコルク栓の開け方もご紹介していますのでぜひ最後までご覧ください。
それでは早速、ワインとコルク栓についてご紹介していきましょう!
コルクで栓をしている理由
ワインの栓がコルクである理由。
それは、コルクに使われている素材が、ワインの風味を保つのに最適だからです。
ワインは酸素と触れ合うことで劣化してしまう特性があります。
逆に、空気を絶って熟成させれば風味がアップし、品質が向上する傾向にあるのです。
コルクは柔軟性や弾力性に優れているため、瓶の形にピッタリとはまって密閉空間を作り出せます。
液体はもちろん、気体も通さず、腐敗に対しての抵抗力も備わっているため、その性質がワインの栓にピッタリだったのです。
ワインとコルクの歴史
コルクは、約2000年前~4000年前のギリシャですでに存在していたのでは?と考えられていますが、ワインの栓として使われるようになったのは1700年代のことでした。
それは、コルク栓を作るために必要なガラス瓶が開発されたのが、1600年代だったから。
それまでは樽で保存していたワインを直接注いで飲んだり、オリーブオイルを表面に垂らしたりしていましたが、決して熟成できる条件ではなかったそうです。
しかし、ガラス瓶とコルクの誕生によって長期間の熟成が可能になりました。
それだけではなく、瓶に入れて栓をしたことで運搬制が高まり、より遠くまでワインを運ぶことができるようになったのです。
その後、スパークリングワインが誕生するなど、コルク栓の存在はワイン史にとって大きな影響を与えました。
コルク栓の原材料
画像出典:TANOSHII WINE
コルクは木目調の材質でできていますが、木であれば何でも良いわけではありません。
コルク作りに適した材料、それは「樫の木」です。
学術名Quercus Serverと呼ばれる樫の木は、地中海性気候の地域で生育していて、主に南フランスやイタリア、スペインなどで多く見かける植物です。
その中でも、ポルトガルでは世界最大の栽培量を誇っており、世界の70%のコルクはポルトガルから産出されているのだそう。
2000年前後では、イギリスのスーパーマーケットを中心に「コルクは森林伐採につながる」と非難されたこともありました。
しかし実際は樹齢25年以上の樫の木を9~12年ごとに削いで使っているため、伐採しているわけではありません。
環境に悪いというのは勘違いだと訂正されたそうです。
コルクの種類
コルクの原材料は樫の木と言いましたが、天然の物だけではなく、プラスチックを使ったコルク栓も存在します。
ここからは、コルク栓の種類について説明していきましょう。
天然コルク
天然コルクは、コルク樫という木を使って作られています。
天然のコルク樫を加工せずにそのまま使っているためこの名がついたのだそう。
木の周りから樹皮を厚めに剥がしたら、その樹皮を円筒状にくり抜いて作られています。
伐採しているわけではないので、コルク樫が成長すれば同じ木からコルク用の樹皮を採取できるのですが、それには約10年かかるといわれています。
生産量に限りのある天然コルクは、その分人工のものよりも高価なのだとか。
テクニカルコルク(圧搾コルク)
天然コルクに対して、コルク樫から採取したものを加工して作っているものをテクニカルコルクと呼んでいます。
樹皮を砕いて細かくしたものを接着剤などで固めて作るコルクです。
天然コルクをくり抜いた後の残った樹皮で作成できるため、比較的天然コルクよりも安価で作れるといった特徴があります。
一部天然・一部圧搾コルク
これは天然コルクとテクニカルコルクの中間です。
端の部分のみ天然で、それ以外はテクニカルコルクと同様に作られています。
中心部分はコルク屑を固めているため、コスト削減につながります。
比較的に安価でありながらも天然コルクのように見える特徴があります。
合成コルク(プラスチックコルク)
樹皮ではなく、シリコンなどの樹脂から作られています。
樹脂製コルクとも呼ばれています。
コルクに似せて作られたものも多いですが、見た目や色はさまざまです。
1990年代の合成コルクでは、酸素が大量に入ってしまうこともあり、比較的安価なワインに用いられることが多かったそう。
しかし最近では、酸素透過量を抑えた合成コルクが作られるようになり、長期熟成が必要なワインにも適用されることが増えたのだとか。
それでも、合成コルク=安価なワインという世間のイメージはなかなか変わらないため、高級なワインにはほとんど使用されていないのが現状です。
スパークリングワイン専用コルク
スパークリングワイン用のコルクは、他のもの違って形に特徴があります。
上部が盛り上がっていて、まるでキノコのような形になっているのです。
その理由は炭酸ガスが抜けないようにするため。
スパークリングワインのために作られた、密度の高いコルクなのです。
通常のコルクと違ってオープナーのスクリュー部分をコルクに指すと、ワインの瓶の負担がかかり、瓶が割れてしまう可能性もあります。
そのため、ワインオープナーを使わずに必ず手で開けるようにしてくださいね。
キャップシール
ワインには、注ぎ口を包むようにコルク栓の上からカバーがついていますよね。
これをキャップシールと呼びます。
主な役割はコルクの乾燥を防ぐこと。
乾燥してしまったコルクは体積が小さくなり、酸素透過量が多くなってしまうのです。
そこで、ワインを守るためにキャップシールがついているのですね。
また、蔵元の名前や銘柄名、会社のマークなどが記入されていることもあり、「出荷証明」という役割も担っているのだそう。
コルクの刻印
コルクには文字が刻印されている場合があります。
それは、本物であることを証明するためです。
20世紀の初期に偽物のワインが出回る事件が勃発しました。
そこで本物の見分けがつくようにコルクにシャトー名や収穫年などが刻印されるようになったのだそう。
特に高級ワインには刻印されていることがほとんどなのだとか。
本物のワインを飲んだ証として、刻印されたコルク栓を集めている人も多いそうですよ。
コルクの長さ
コルクはどれも同じだと思っている人は多いのではないでしょうか。
実は、ワインの銘柄によってコルクの長さは変わるのです。
日常的にワインをよく飲む人ならお気づきかもしれませんが、コルクの長さは3cm~6cmほど、ワインの種類によってさまざま。
コルクは長いほど酸素を通しにくいため密閉性が上がります。
長期熟成が必要な高級ワインには、5.5cm以上のコルクが使用されているのだそう。
ワインは酸素に触れると熟成の進みが速まる性質があります。
熟成のスピードが速いワインよりも、じっくりと時間をかけて熟成したワインのほうが味に深みが増すため、高級ワインほど長いコルクが必要になるということなのです。
ソムリエナイフを使ったコルクの開け方
コルク栓を開けるにはワインオープナーが必要です。
オープナーにはスクリュープル式や、ウイング式などさまざまな種類がありますが、その中でも今回はソムリエナイフを使った開け方についてご紹介していきます。
使い方はシンプルですがコツが必要なので、開け方を知りたい人はもちろん、うまく開けられずに苦戦している人もぜひ参考にしてみてくださいね。
ソムリエナイフとはワインオープナーの一種で、4つのパーツから作られています。
それぞれのパーツの役割りはこの通り。
・ナイフ部分
キャップシールを剥がす
・スクリュー部分
コルクを抜く
・支点部分
ボトルに引っ掛ける
・ハンドル部分
握る(持ち手)
ソムリエナイフは、レストランのソムリエが使うことからこの名がついたとされています。
ポケットにしまって持ち運び出来るよう、折りたたみ式になっているのも特徴です。
①ハンドル部分をしっかり握る
まず、キャップシールを剥がすため、最初にナイフ部分を使います。
折りたたまれているので、刃に気をつけながら外側に出しましょう。
刃先はそこまで鋭利ではないので、怖がらずにしっかりハンドル部分を握るようにしてください。
②ナイフ部分で切り込みを入れる
キャップシールを剥がすために、ボトルの出っ張り部分にナイフを当てます。
ナイフの角度は上向きのななめ45度。
そのままぐるっと一周して切れ込みを入れましょう。
ハンドルを握った手の親指をボトルの口に添えるとコントロールしやすいですよ。
このとき、キャップシールが切れてない部分がないようにしてください。
③キャップシールを剥がす
②で付けたキャップシールの切れ込みと瓶の間にナイフを差し込みます。
そのまま上に引き上げるとキャップシールがきれいに剥がれるでしょう。
ちゃんと切れ込みが入ってないと上手く剥がれませんが、同じところを何度も切りすぎてもキャップシール部分がボロボロになって見た目が悪くなってしまいますので注意してくださいね。
④スクリュー部分をコルクに刺す
次に、ソムリエナイフからスクリュー部分を出します。
そして、先端がまっすぐ入るようにコルクに刺していきましょう。
この動作がとても肝心で、曲がってしまうと途中でコルクが折れてしまったり、うまく抜けない原因になるので気をつけてくださいね。
⑤支点部分を使ってコルクを抜く
スクリュー部分がしっかりと刺さったら、いよいよコルクを引き抜く準備です。
支点部分の段差をボトルの口に引っ掛けましょう。
そして、真上に引き抜くようにしてテコの原理でコルクを引き上げるのです。
これ以上あげられないところまで持ってきたら、最後は手で引き抜きましょう。
力任せに引っ張るとワインが飛び散ったり、コルクが折れる可能性があります。
様子を見ながら少しずつ引き抜くようにしてください。
ソムリエナイフの種類
ソムリエナイフにはいくつかの種類があります。
自分の使いやすいものを見つけてみてくださいね。
アクション(支点)の違い
先ほどの説明で出てきた支点部分のことをアクションとも呼びます。
ソムリエナイフには、支点が1つのシングルアクションタイプと2つ付いたダブルアクションタイプがあります。
ダブルアクションタイプは、引き上げる際に2段階で支点を変えられるので長いコルクでも簡単に抜けるでしょう。
スクリュー部分の長さ
スクリューの部分が長いソムリエナイフも存在します。
一般的に高級ワインには長めのコルクが使用されると説明しました。
コルクが長い場合は、長いスクリューの物を使うと楽に引抜くことができますよ。
ハンドルが厚めのタイプ
コルク栓を抜くときはハンドル部分を握りますが、このときハンドルが厚めだと握りやすくて力を入れやすくなります。
よって、簡単にコルクを引抜くことができるのです。
開封後のコルク栓
画像出典:楽天市場公式サイト
ワインを飲みきれなかった場合、同じコルクを使って栓をする人も多いでしょう。
しかし、スクリューを刺して穴が空いているコルクでは酸化してしまうためオススメできません。
せっかくのワインですから、美味しさを保つためにも保存用のボトルキャップを使用してみるのもオススメです。
ボトル内の空気を吸い出して真空にできるポンプなどもあるので、ワイン好きのかたは是非チェックしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、ワインとコルクの関係性や、ソムリエナイフを使った開け方についてご紹介しました。
コルクひとつ取っても、素材・形・長さなど種類はさまざま。
ワインをゆっくり熟成させるためには、酸化させないことが絶対条件で、コルクの存在がとても大切だと分かりましたね。
コルクについての知識を増やすことでワインの奥深さを知り、より一層ワインに興味を持ったのではないでしょうか。
これからワインを飲むときには、コルクの種類にも注目してみてくださいね。
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